探偵の張り込みは、静かで地味な時間の連続です。
今日も、いつものように車内で対象者の出入りを待っていると、左のバックミラーに一羽の黒っぽい鳥がちょこんと止まりました。
スズメではないよなぁ?
「え、君も張り込みに参加するんかい?」と心の中でツッコミ。
追い払うこともせず、そのまま“鳥と私との共同での張り込み”がスタートしました。
しばらくの間、鳥はじっとミラーの上で周囲を見渡し、私は車内から対象者の出てくるのを待つ感じで、時間が過ぎました。
そして20分後くらい、対象者が立ち寄りの施設から姿を現した瞬間、まるで合図を出すかのように鳥はパッと飛び立っていったのです。
「まさか、君が合図係だったのか?」
そんな妄想をしながら、私はすかさず調査を開始しました。
張り込みは忍耐勝負ですが、時にこうした小さな出来事が、ちょっとした相棒との思い出にもなるのですね。
………なんかいい感じだったです。