「最近、妻の帰宅が遅くなることが増えたんです……」
そう相談されたのは、50代のご主人様。35歳の奥様の行動に、少し気になる変化があるとのことでした。
そしてある日の夕方、対象者の行動確認のため尾行調査を開始。
午後5時、自宅から出てきた対象者を確認すると、何やら後方に漂う存在感のある香り……。
「ん?何か匂うぞ……」
一瞬、別の何かを疑いましたが、犯人(?)は強烈な香水の香りでした。
「これはなかなか個性的な香りだな……」
そう思いながらも、調査を続行。
対象者は徒歩で最寄り駅へ向かい、電車を利用。ここまでは特に不自然な動きはありません。
しかし、駅のホームに到着すると、周囲を何度も確認するような仕草。
「もしや、こちらの動きを警戒しているのか?」
こちらも慎重に距離を取りながら追尾を継続します。
電車内では、念のため別車両から確認。ところが、混雑する車内で一瞬、対象者の姿が見えなくなりました。
「しまった……見失ったかもしれない」
頭の中では最悪の展開がよぎります。
停車駅に到着。
対象者が降りたのか、それとも乗り過ごしたのか……。
まさに一か八か、同駅で下車しました。
「……いない?」
周囲を確認しても姿が見えません。
その時でした。
ふわっ……。
「あれ?」
ホームに漂う、どこか覚えのある香り。
そうです。
先ほどから存在感を放っていた“あの香水”です。
「まさか……香りが道しるべになるとは!」
急いで改札方向へ向かうと、そこには対象者の姿が。
まさに、探偵人生の中でも珍しい“香りによる追跡成功”の瞬間でした。
その後も慎重に調査を続けた結果、対象者が男性と接触する状況を確認。その後の行動についても記録し、必要な証拠を収集することができました。
今回の調査で改めて感じたこと。
人は「見られていない」と思っていても、意外なところに手掛かりが残ることがあります。
今回、探偵を助けてくれたのは、まさかの“香水”。
もちろん、香りだけで調査が成立するわけではありませんが、現場では時に予想もしないものが重要なヒントになることがあります。
尾行調査は、観察力・判断力、そして少しの運も必要な仕事なのです。